タブレットと Web の応用事例

駅のコンビニの貼り紙によると、12月12日は「ダースの日」なんだそうです。

「ダース」が何の単位なのか私は知りません。私が知っているのは、とある工場で物を数える単位の一つに「パレット」があるということです。

荷物の積み方

その工場では、フォークリフトで運ぶ物を「パレット」で数えます。フォークリフトで運ぶということは、それなりに大きくて重い物です。

1日目の記事にも書いたとおり、その工場では1つのラインで何種類もの製品を作っています。製品を作る順番はスケジュールで管理されているので、部品を持って行く時にはスケジュール通りに持って行くことになります。

A A A
B B B
A A A

こんな感じに積むのであれば、話は簡単です。しかし実際には「3個単位にならない部品があったら真ん中を空ける」「1個だけの時は真ん中に置く」などのルールがあるので…

A
B B
A A A

こんな感じになったりします。図で見れば簡単な話です。

物流支援タブレット

パレットへの荷物の積み込みは、難しい作業ではありません。しかし、以前は紙に印刷されたスケジュール表を見て作業をしていたため、普段とは違う人が手伝いに入った時に説明が不十分だったりすると…

A B B
A A A
A A A

このように積み込まれてしまうこともあったそうです。紙のスケジュール表には単純に [A, B, B, A, A, A, A,...] という順番が書かれているだけで、工場内も場所によってはルールが違うこともあり、間違いやすい状況でした。そこで、物流の作業をわかりやすくするために、タブレット端末で「物流支援システム」を作ることになります。

操作もできる

物流支援システムは Web アプリとして作りました。開発当初、Web アプリは標準のブラウザで表示していましたが、いつからか表示器アプリで表示するようになりました。

表示器アプリは操作を制限していないので、操作が必要な Web アプリでも表示は可能です。表示器アプリを使うと「電源を入れただけで準備が整う」「通信エラーになっても勝手に回復する」というメリットがあります。実際、表示器アプリにしてからは担当者が呼ばれる回数も少しだけ減ったようでした。

アプリまで作っていい感じの Android 版 Web 表示器ですが、工場に導入する仕組みとしては1つ大きな問題があります。次の記事では、Android による Web 表示器の限界、Raspberry Pi 表示器を作るに至った経緯について、書いてみたいと思います。

この記事の投稿者

崎 洋佑
崎 洋佑プログラマーもどき
さきラボの代表取締役。自称プログラマーもどき。
開発でよく使う言語は日本語。
IT技術よりも人が好きな、天然物のエンジニアです。