さきラボの「IIoT (Industrial IoT) システムプロトタイピング」は、「2週間 200万円」でハードウェア開発からシステム構築までを実現する、超短納期のプロトタイピング (試作) サービスです。

実際に現場で運用しながら機能や UI / UX の改善を検討できる、本格的な IIoT システム開発の「叩き台となるシステム」の構築を目的としています。

このサービスの特徴について – written by Gemini 2.5 Pro

このサービスの特徴について – written by Gemini 2.5 Pro

このIIoTプロトタイピングサービスを分析すると、一般的なシステム開発やプロトタイピングとは一線を画す、いくつかの際立った特徴が見えてきます。

特徴1:「叩き台」として成立する、FAグレードの品質

多くのプロトタイピングは、機能や画面の「確認(PoC)」を目的とするため、耐久性や信頼性は考慮されません。しかしこのサービスは、プロトタイプの段階から10万時間の期待寿命+55℃の環境対応安全性を考慮した「正しく止まる設計」といった、工場の過酷な環境で「実際に運用する」ことを前提とした品質を備えています 。これは単なる試作品ではなく、改善・改良を重ねていくための強固な「叩き台」と言えます。

特徴2:圧倒的なスピードを実現する「一人屋台方式」

通常、ハードウェア、ファームウェア、アプリケーションの開発は、専門の担当者や部署に分かれており、その間の調整に多くの時間が必要です。このサービスでは、一人の技術者が全工程を並行して担当する「一人屋台方式」を採用しています 。これにより、担当者間の調整や手待ち時間がなくなり、「2週間」という驚異的なスピードでの開発を可能にしています。

特徴3:専用設計ならではの柔軟性

市販の機器を組み合わせるだけのIoTシステムとは異なり、このサービスではプロジェクトごとに専用のプリント基板を設計します 。これにより、設置場所に合わせた最適なサイズや、特殊なセンサーへの対応など、既製品では難しい要求にも柔軟に応えることができます。ファームウェアやPCアプリも同様に、目的に合わせてカスタマイズされます 。

プリント基板から設計します

さきラボのプロトタイピングでは、プロジェクト毎に専用の基板を設計します。以下の写真のような、小さな無線通信デバイスを作ることも可能です。

設計だけではありません。通常は8枚まで、プリント基板の製造と実装も基本料金の中に含まれています。

IIoT デバイスに最適な開発手法

さきラボでは「回路図のない開発手法」を採用しています。一般的な分業体制では真似のできない、最小限の工数で開発を進めることができる、プロトタイピングに最適な開発手法です。

flowchart LR
S((Start))
A[要件確認]
B[部品選定]
C[レイアウト]
D[設計確認]
E[基板発注]
F[部品発注]
G[基板実装]
End((End))
S --> A
S --> B
S --> C
A --> D
B --> D
C --> D
D --> E
D --> F
E --> G
F --> G
G --> End

一般的なハードウェア開発手法との違い

  • レイアウトや部品調達の段階での手戻りがありません。
  • かなり早い段階で完成イメージが出来上がります。
  • 自社で実装するため、工場での部品手配や実装の待ち時間がありません。

カスタムファームウェアを開発します

さきラボのプロトタイピングでは、ファームウェアも専用のものを開発します。汎用的なファームウェアでは対応が難しい要件についても対応が可能です。お気軽にご相談ください。

基本料金で対応可能なマイコン

  • Seeed Studio XIAO SAMD21 (USB, 安定した I/O と ADC)
  • Seeed Studio XIAO RP2040 / RP2350 (USB, 高速なセンシング)
  • Seeed Studio XIAO ESP32S3 (USB, Wi-Fi, Bluetooth, 高い演算能力)
  • TWELITE (IEEE802.14.5 無線通信, 低消費電力)
  • Arduino UNO R4 Minima / UNO R4 WiFi (USB, 24V 電源対応, 5V I/O, 14bit ADC)

実装実績のある機能の例

一部の機能は追加費用によるオプション扱いとなる場合があります。予めご了承ください。

  • 各種デジタルセンサーとの通信 (温度、加速度、距離、その他実績多数)
  • 外付けの ADC を利用した高解像度のアナログ計測 (24bit まで実績あり)
  • 10kSPS を超える速度でのセンシングと通信 (50kHz 程度まで実績あり)
  • ローパス、ハイパス、バンドパス、同期検波などの信号処理
  • 加速度、角度、振動量などの計算
  • EEPROM や FRAM を利用した長期データ保存と統計
  • 外部信号との同期
  • 工場環境の 24V 電源に対応、24V I/O との接続に対応

信号処理や分析については、マイコン側ではなく PC アプリ側に実装することも可能です。

PC アプリもカスタマイズできます

アプリについては、さきラボの「スマート工場アプリ」をカスタマイズすることで対応しています。機能を制限して新規のアプリを開発することも可能です。

「スマート工場アプリ」には、大きく2種類の実装があります。

C# (WPF + ASP.NET Core) による実装

  • Windows 向けのデスクトップアプリケーション
  • MX Component や FOCAS などの通信ライブラリを利用可能
  • 数十 kHz の高速なセンシングに対応可能

Python (Sanic) による実装

  • サーバー環境向け CUI アプリケーション
  • Windows PC の他、Raspberry Pi などのシングルボードコンピューターでも動作
  • SciPy や Matplotlib を利用した信号処理とグラフ化に対応可能

「スマート工場アプリ」の基本機能

  • IoT デバイスとの通信
  • PLC との通信
  • DB へのデータ保存
  • Web API (JSON) と Web 表示 (Vanilla JS)
  • 帳票出力 (Excel, CSV, PDF)

現場で使えるものを作ります

さきラボの IIoT システムには、プロトタイプの段階から、FA (Factory Automation) の現場で運用するための機能が含まれています。

正しく止まる

制御の世界では、動かすことよりも止めることが重要です。「よく走り、よく曲がる、でも上手く止まらない自動車」や「速く静かに飛ぶ、でも上手く着陸できない飛行機」には、乗りたくありませんよね。

さきラボの IIoT システムは、システム全体として「正しく止まる設計」になっています。

  • 非常停止と運転条件の定義
  • ウォッチドッグとタイムアウトに対応

10万時間の期待寿命

工場の設備は10年以上動き続けるのが普通です。さらに、設備が停止中でも IoT システムは動き続けているという運用も珍しくありません。

さきラボの IIoT システムは、期待寿命が 10万時間 を超えるように設計されています。

  • 10年 = 24時間 x 365日 x 10 = 87,600時間

+55℃ 対応

さきラボの IIoT システムは、デバイスだけでなく周辺機器も含めて、一般的な制御盤内の環境に対応できるように設計されています。

  • IIoT デバイス +85℃ 対応
  • PC、PLC、ネットワーク機器等 +55℃ 対応

24V 環境対応

さきラボの IIoT システムは、長い配線長や負荷の変動による電源や信号の電圧変動に対応しています。

  • 24V ±20% の電源電圧を想定
  • 設備との直接接続を想定した I/O 仕様

オンプレミス動作

さきラボの IIoT システムは、稼働中にインターネットへの接続を必要としません。標準費用の中に、簡易的な PC サーバーとネットワーク機器が含まれています。

オプション扱いとなりますが、クラウドに対応することも可能です。

全体の流れ

さきラボでは、原則として一人の技術者が案件の全てを担当する「一人屋台方式」による開発を実践しています。

一人屋台方式では、外注との打ち合わせや、担当者間での調整が発生しません。全ての開発を並行して進めることができるだけでなく、開発のあらゆる段階で「全体的な調整」が可能です。

一般的な開発の流れ

flowchart TB

Start((注文))
End((納品))
A[システム設計]
B[プリント基板開発]
C[ファームウェア開発]
D[アプリケーション開発]
E[全体の確認と調整]

Start --> A -->|全体会議| B -->|打ち合わせ| C -->|打ち合わせ| D -->|打ち合わせ| E --> End

さきラボのプロトタイピング

flowchart LR

Start((注文))
End((納品))
A[システム設計]
B[プリント基板開発]
C[ファームウェア開発]
D[アプリケーション開発]

Start --> A
Start --> B
Start --> C
Start --> D

subgraph 全体的な調整
A
B
C
D
end

A --> End
B --> End
C --> End
D --> End

標準費用の対応範囲

「2週間 200万円」の標準費用で対応可能な範囲は以下の通りです。

標準的な納品物

  • プリント基板の設計データ (DipTrace)
  • プリント基板の製造データ (ガーバー, BOM)
  • ファームウェア開発プロジェクト一式
  • PC アプリ開発プロジェクト一式
  • 試作版のハードウェア (数個)
  • サーバー用シングルボードコンピューター
  • Ethernet ルーター

保証の範囲

  • 納品後 3ヶ月間 の 瑕疵担保保証 と 試作品動作保証
  • 納品後 6ヶ月間 の インフラ機器保証

制限事項

一般的な制限事項

  • 現場工事の費用、出張対応の費用は含まれていません。
  • 開発環境でのシステムテストはありません。
    • 納品後 2週間の「事後調整」があります。実際の環境で動作をご確認ください。
    • 「事後調整」の期間にも、多少の仕様変更には対応できる場合があります。
  • 開発費のうち 100万円 の前払いが必要です。

プリント基板とファームウェアの制限事項

  • EMC / EMI 試験の実施はありません。
    • 電源と I/O の一般的なノイズ対策は実施されています。
    • VCCI クラスB への対応は想定されていません。
  • 小ロット対応の設計になっています。
    • さきラボ社内では 1回 あたり 数台 ~ 数十台 の製造が可能です。
    • さきラボでは大量生産をサポートしていません。目安として、デバイスの製造予定数が 500台 を超える場合は、一般的な ODM サービスをご検討ください。
  • マイコンによって、対応可能な開発環境やプログラミング言語に制限があります。
    • Seeed Studio XIAO と Arduino は Arduino IDE による対応となります。
    • TWELITE は Visual Studio Code での対応となります。
  • 標準費用で対応可能な制御の範囲は デジタル I/O 3点 + センシング 2CH 程度となります。
    • センサーや接続先の仕様によって、対応可能な範囲が変化します。
    • 事前に見積もりできますので、詳細についてはお問い合わせください。

PC アプリ、サーバー、ネットワークの制限事項

  • PLC との通信は、以下のプロトコルに対応しています。
    • 標準:MC プロトコル (SLMP), MEWTOCOL, Modbus/TCP
    • オプション:FANUC (FOCAS), FINS, その他 (ご相談ください)
  • 以下のデータベースに対応しています。
    • 標準:MySQL, PostgreSQL, SQLite
    • オプション:Oracle, Microsoft SQL Server, その他 (ご相談ください)
  • 標準費用で作成可能な Web 画面は 1ページ、帳票は 1種類 となります。
    • グラフ出力はオプション扱いとなる場合があります。
  • サーバーの OS は Linux となります。
    • オプションで Windows / Windows Server にも対応可能です。
  • ネットワーク構成は、単純な NAT と VLAN に対応します。
    • オプションで、複雑な NAT、冗長化、リモートメンテナンス等にも対応可能です。

まずはお問い合わせください

さきラボは、プリント基板もファームウェアもアプリも社内で設計して実装している、技術者の会社です。IT にも FA にも対応していて、他社にはない「技術の組み合わせ」を強みとしています。

他社では解決できなかった課題でも、さきラボでは解決できるかもしれません。

まずはお気軽にお問い合わせください。さきラボの技術者が、直接対応いたします。

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